2016年1月29日金曜日

十六.南太平洋編 Ⅶチャレンジ・ザ・マウンテン-1

十六.南太平洋編 Ⅶチャレンジ・ザ・マウンテン-1

   このブログは一つの物語です。


初めての方は、1からお読み下さい。


ヤシの木陰の十字星の歌で有名なラバウルは、ラバウル島にある、と思っている人が多いが、ニューブリテン島の小さな街である。街といってもこのあたりの街は、日本で言うところの町よりもはるかに小さいものである。
 このニューブリテン島には、太平洋戦争時代の激戦を忍ばせてか、あちらこちらに旧日本軍の戦車やら、飛行機の残骸が散らばっている。また、カタコトの日本語を喋るおっさんも多く、
「雨が降る降る、ジンバが濡れる・・・・・・」
と、歌いながら、土人のおっさんが歩いている。
 この島には湾の西の方に三角すいの良い山がある。樹木や緑は生えてなく、ごつごつとした岩山で、頂上付近からグレーの煙が上っている。
「うむ、良い山だ」
と、僕は入港するたびに思っていたが、ある日、長い休みが取れたので、思い切って、あの山へ挑戦してみることにした。しばらく山へ行っていないので、身体がうずうずしてくる。
 そして、さっそく、ニ・三日分の食料と装備を揃えると、さっそうと出発する。
 リュックサックを背負って海岸線を行くと、土人らが、何をしているのか?とキョロキョロ見ていた。
 湾をぐるーっと廻り込み、大分、人里離れてくると、山の頂上付近がチラッ、チラッと見え、山が近づいてくる。
 途中の小さい部落に着くと、遊んでいる子供らに、ゴツゴツととんがった山の頂上を指さして、
「あそこへ行くにはどう行ったらいいか?」
と尋ねると、子供らはびっくりして、
「あの山へ行ったら、あかん!」
と手を横に振り、一人が手を振ると、五・六人らの子供らも合わせて一勢に手を振る。
「駄目だ、駄目だ、行ったらあかん!」
と繰り返し、子供らは口を手で覆い、息が出来ないジェスチャーをした。以前、何か事故でもあったのか、止め方が異常である。
「前、誰か行って帰らなかった」
とも言っていた。

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