十五.南太平洋編 Ⅵメラネシアのポリスマン
十五.南太平洋編 Ⅵメラネシアのポリスマン
このブログは一つの物語です。
メラネシの島々は、小さな独立国や、まだ植民地として統治されている島々が多い。ソロモン諸島らも、まだ植民地が多く、各国の秘密軍事基地があるかもしれない所である。
僕はあいかわらずカメラを下げてうろうろしていると、何処から聞きつけたか、土人の駐在の警官らしいおっさんが、ふうふう言って自転車を漕ぎながら追いかけて来た。
「何か?」
と振り向くと、おっさんは息を切らしながら、
「この島で写真を取ったらアカン」
と言う。そして、さかんに僕のカメラをよこせ、と言う。
「こんな所に何が有るのか、海と密林だけじゃねぇか」
と、言い返すが、きかない。カメラをよこせ、と言う。
頭にきた僕はカメラはやるわけにはいかぬ、と、パカッとカメラを開け、フィルムをポタリ、と道に落とすと、そ知らぬ顔をして歩いて行く。
「バカタレめが、せっかく良い景色を撮ったのに、こんな所になにがあるのか、韓国じゃあるまいに」
と憤慨していた。すると、後からおっさんがふうふう言いながら追いかけて来た。
「まだ何か用があるのか?」
と尋ねると、
「カメラを見せろ!」
と手を差し出す。
「フィルムは渡したじゃないか!」
と怒りながら言うが、きかない。あんまりうるさいので、
「ほれ!」
とカメラを手渡すと、おっさんはしばらくカメラをいじくっていたが、空け方が分からないようである。何をしているのか・・・・・・?と、僕は黙って見ていたが、カメラを取りあげ、
「ほれ、もうフィルムはない」
とカパッとカメラを開けると、このおっさん、何を思ったか、カメラの中を覗き込んでいた。カメラの中にフィルムが何本も入っている、と思っているのだ。
「おっさん!カメラにゃフィルムは一本しか入らないの、えっ!おっさん、カメラを知らんのか!」
と、ぐらぐら頭にきた僕は、日本語で怒鳴りちらすと、紅い筋の入った警官帽をかぶったちんちくりんの土人のおっさんは、自転車のハンドルを握ったまま、目をまん丸にしてきょとん、としていた。
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