2016年1月25日月曜日

十四.南太平洋編 Ⅴ女王陛下と夢の島々-2

十四.南太平洋編 Ⅴ女王陛下と夢の島々-2

   このブログは一つの物語です。


初めての方は、1からお読み下さい。


 僕らの乗る船はミクロネシアの小さな島々をよく廻った。珊瑚礁に囲まれた魅惑の孤島、ナウル島もそのひとつである。モスグリーンの何処までも透き通る海に、珊瑚礁に当って砕ける白い波が、海面を覆っている。モスグリーンの葉と、ハイビスカスの赤い花が広がる、すべてが自然そのままの美しい島である。 
 中学生位の頃、「南太平洋」というアメリカ映画を見た覚えがあるが、ひねた中学生は「あんな、夢のような所があるわけゃねぇ!」と、子供ながらに思っていたが、その夢の島が今、僕が立つこの島であった。 
 光る花と透き通る海、珊瑚礁、そして髪の長い美女ら。この島の原住民は大柄なトンガ人のような姿をしていて、色もあまり黒くなく、長く縮れた髪に赤いハイビスカスの花がよく似合った。そう、あのゴーギャンの世界であった。 
 暖かい陽射しと、ぬるい風が一日中覆う珊瑚礁のこの島は、珊瑚礁と同じように、潮の満干の差が激しく、その差は五メートルにも及んだ。何処までも続く珊瑚礁の彼方から白い波が、ぞぉーと押し寄せる。が、戻っては行かない。引き潮となれば、ざぁーと曳いて行って、再び戻っては来ない。太平洋の真ん中に居るんだなぁ、という実感が湧いてくる。 
 うっとりとする澄んだ空気の中、青い空と、青い海を眺め、真黒に日焼けした僕は、のんびりと楽しい日々を過ごすことが出来た。まさに楽園の日々であった。 

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