十.韓国編-Ⅰ人々の中で-3
このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。
韓国語でポン引きが捲し立てるが、さっぱり分らん。それに、うるさい。文句を言われる筋合いはない。「向うへ行け!」と手で追い払うようにすると、彼が殴りかかってきた。
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その彼の胸ぐらを「はっ!」とつかみ、足払いを掛けると、彼はバタッと転げた。さらに上乗りになり、得意な柔道の首締めを掛けて「どうだ!」と言って彼を突き離すと、彼は「ゼーゼー」と息をしていた。その場はそれで良かったが、困った!仕返しがあるかも知れない。街へ行けなくなってしまった。人数でかかってきたら堪らない。
「うむー」と考えた末、船から警察へ電話して、「ゲイトの所にポン引きが居て街へ出れない」と通報する。韓国ではポン引きはごはっと、即、逮捕である。
この国は女郎屋がゴロゴロ有るくせに、表向きは風俗に厳しいのだ。テレビにはキスシーンもでない。むろんポルノ雑誌もない。エロ本を韓国に持ち込むと逮捕される。
船が韓国の港に着くと、船内に貼ってあるヌード写真を外さなければならないし、図書室にあるヌード写真の載る雑誌等は皆、何処かへ隠す。それほど風俗にうるさい国なのだ。
エージェント氏いわく、
「韓国は朴大統領下、国民一体となって清い国を創っている。」
なんで、そんなに清い国が女郎屋だらけでポン引きがうろうろしているのか、と言いたくなるもんだ。
さっそく、警察へ通報すると双眼鏡で船からゲイトを覗く。
「来た、来た」
パトカーが乗りつけると、バッと蜘蛛のように散るポン引き。何人かが捕まりパトカーに引きずり込まれる。
また、いっときすると、パラパラと人数の減ったポン引きが集まって来る。ぼそぼそと何か話しているようだった。
だいぶん揃ったところへ、また警察へ電話する。バッと逃げるポン引き、それを追う警官。手に木刀を持っている。
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