2015年12月25日金曜日

十.韓国編-Ⅱ凍る河-1

十.韓国編-Ⅱ凍る河-1

このブログは一つの物語です。

初めての方は、1からお読み下さい。


仁川の街で顔を売った僕は、怖いもの知らずで街を歩いた。時折、チンピラが頭を下げて行き、すっかりいい気分で、デパートの中や下街をうろついた。街にはしゃれた韓国ギャルが多かった。
 タクシーで船と遊郭しか往復したことがないある男が街へ買い物に出かけると、道ゆく若い女性が皆、パンパンに見えてしょうがない、皆、服が透けてヌードに見える、と言っていた。かなりの重症である。
 僕は韓国ぎょうざが好きでクラウンビールという、たいそうな名の酔うと頭痛のするビールを飲みながらよく食っていた。
 ある時、見知らぬ老人が、
「先生、先生」
と言って僕に話しかけてくる。髭を生やしていたら先生に見えるのかな、と、何の先生かも聞かず気を良くして話を聞いていると、その老人は、
「先生、就職を世話して下さい」
と言う。
「就職?」
と、聞き返すと、
「ええ、日本で就職を世話して下さい」
と、真剣な顔をして言っていた。この爺さん、この歳で日本まで来て苦労したいのか、と呆れてしまうが、韓国人は日本といえば、この世のパラダイスか何か、と思っている人が多く、日本へ行けさえすればリッチに幸せに暮らせる、と思っているらしい。特に韓国ギャルの憧れは強く、日本人と結婚するのが夢だと言う女性が多いという。
 そういえば、この国は貧富の差が激しいのか、若い女性でも、全く別の世界に住んでいるように見えた。僕は遊郭の女達しか知らなかったが、街を闊歩する女性らは明らかに渋谷あたりを歩いている日本のギャルと変わりなかった。テレビで女子大生にインタビューしていたが、皆、清楚な感じのお嬢さんという感じで、
「ボーイフレンドは?」
とインタビューするアナウンサーに
「わぁわぁ」
と顔を赤くして逃げ廻っていた。
彼女らはテレビを見ている、僕の隣に座っている遊郭の娘らと、そう歳は変りなかった。
 このお嬢さん方はほとんどがクリスチャンである。上層の人達はクリスチャンが多いから、この国は風俗にうるさいのだろう。それじゃ、私は何を信じたらいいの?と女郎の女達も言いたくなるものである。

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