「奴はあなたに復讐する、と言っていたが、警察につかまってしまった。前科があるから二、三年は出れまい」
と言っていた。
「奴が居なくなって、商売がし易くなった」とも言っていた。
こうして僕はポン引きらに
「ワダサン、ワダサン」
と慕われ、遊郭の廊下をドテラを羽織り威張って歩いた。
そして、よく女将と彼らと奥の部屋でコタツに入り、ミカンを食いながらテレビを見ていた。韓国放送は、前放送が終ると、日本でいうところの国旗掲揚の時、国歌とともに戦車や兵隊が次々と行進する。その時、ポン引きの男らは全員立ち上がり、拳を振って一斉に国歌を歌いだす。大声張りあげ熱気ムンムンである。僕はドテラに包まってコタツの中に丸くなって彼らの歌声を聞いていた。毎晩寝る前にあんなに興奮したら眠れまいに・・・・と思うのだが、それにしても韓国の教育というか、愛国心というか、すごいものである。戦前の日本みたいだな、と思ったりもした。
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