2015年10月7日水曜日

ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅴ ガーナの父)

ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅴ ガーナの父)


このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。



 コートジボワールの隣にガーナがある。この国はチョコレートだと、子供の頃に思っていたが、高層ビルを持つ立派な国だった。独立は早く、アフリカ隋一である。この国の初期大統領にクロマニョンという人がいる。独立の父である。それとともに、全アフリカ共和国を創ろう、とした理想の人である。アフリカファンである僕はこのクロマニョンを尊敬していた。

 クロマニョンは運動の途中、アメリカに外遊中、国内にクーデターが起こり、追放されてしまい、全アフリカどころか、ガーナにおいて失脚してしまったのである。影に大国の力があった事はいうまでもない。
 街のバーで飲んでいて、隣の席の男にクロマニョンの事を聞くと、彼は密かにガーナへ戻り、ジャングルの中で体制を整えるべく潜伏している、という。
「そりゃ、良い事を聞いた、実は俺は日本の記者なんだが、クロマニョンにインタビューしたいから是非会わせてくれ」
と、デタラメを言うと、彼も
「ウムー」
と唸っていたが、
「それじゃ、会見させよう」
と言った。
「早い方がいい。今からアジトへ行こう」
と彼を急かしてバーを出ると、彼の車に乗り込み、街を出てジャングルへと向った。
「こりゃクロマニョンと会ったとなると大スクープになるぞ!」
と胸をときめかしていた。
 舗装のないガタガタ道を揺られ、小さな部落へ着くと、藁ぶきの小屋が幾つも並び、犬の鳴き声がしていた。男は車から降りると部落の中へ入って行き、なかなか出てこない。
「どうしたのか?」と思い、しばらく車で待っていると男が戻って来て
「彼はつい最近まで、この部落に潜んでいたが、もう此処にはいない」
と言う。本当かどうか知らないが此処まで来て居ないのではしょうがないと、さっきまで高鳴っていた胸も落胆してしまい、再び車に乗って街へ戻るが、
「彼はあの部落に居たのではないか…?」

という気がしてならなかった。夜が明けようとしていた。ガーナの風は生ぬるく肌を誘った。

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