四.大アマゾン-2
このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。
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四昼夜目に、河の流れが緩やかになり、広い河水留りの河岸に白い建物が見えてきた。マナウスだ。よくも、こんなジャングルの奥地に街を創ったものだ。機材はどうやって運んで来たのだろうか、と、立ち並ぶ建造物を見ては感心してしまう。
マナウスの街は昔、アマゾンの奥地からゴムを引き出してくる波止場で、当時を忍んでか、道路脇にはゴムが敷きつめてあった。
大型船がマナウスに入ったのは初めてらしく、僕の乗った船がマナウスに入港した事を、現地のテレビで大きく報道すると、これを見たマナウス近くに住む日本人移住者たちが船を見学に来た。
僕がワッチ(当直)で立っていると、田舎臭い小柄なお婆さんらが二、三人でやって来て
「兄ちゃんは、何処の生まれだべ」
とか、
「何時までいるべ」
とか言っていたが、東北弁とポルトガル語が混じっていて何を言っているのか、訳が分からなかった。お婆ちゃんらは宮城や福島など、ほとんどが東北出身の人で、陽に焼けた顔にモンペを履き、いかにも元気そうに陽焼けした顔をほころばせながら笑っていた。
「あんた、此処はいい所べぇ、日本に有るものは何でも揃うべぇ。土地も耕した分だけ自分のものになでょ。兄ちゃんも移住したらいいべぇ」
と、しきりに僕を勧めていたが、お婆ちゃんたちは、「日本に有るものは、何でも揃う」と、言っていたが、それは、お婆ちゃん達が居た時代の事で、たぶん、カップヌードルなんかはないだろう。
マナウスの街に降りると、色の浅黒いインデオが歩いていた。髪は真黒で男も女も三ツ組をしていた。魚市場へゆくと、ピラニヤや一メートルはあるらい魚のようなグロテスクな怪魚がいっぱい並んでいた。思ったよりは狭い街で、歩くとすぐ突き当りとなり、湖のようなアマゾンの河留りはどす黒い色をしていて、波止場で釣りを楽しむインデオもいた。
僕は小さなボートに乗り込むと、アマゾンの奥地へと進んだ。案内のインデオは無口に船を走らせ、モーターボートは快適に河を逆昇って行く。
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