2015年10月12日月曜日

ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅵ グリーンの制服-2)

ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅵ グリーンの制服-2)


このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。

しばらくして、グリーンのダブダブの制服を着たポリスが走ってきた。色が黒いのに制服がグリーンで、何か色の調和がアンバランスで妙な感じがした。爬虫類人間のように見えた。彼は僕ら二人を認めると
「派出所まで来い!」
と、言った。めんどくさい事は嫌だったが、この大勢の人が見守る中、逃げ出すわけにも行かず、しぶしぶ男とポリスの後をついて行った。
 派出所は日本と変りなかった。ポリスはテーブルに座ると、
「どうした?」
と僕に尋ねたので
「こいつのカメラを取られた」
と男の方を指さしてカメラを見せた。すると、ポリスは僕のカメラを一時(いっとき)見ていたが、手を出して、「よく見せろ」と言ったので、カメラを彼に手渡すと、ケースを開け、興味げにいじくっていた。が、再びケースに入れると、机の引き出しの中に直し込んだ。何か証拠物件として一時保管するのだろうか?ポリスは再び椅子に深々と座り直すと、男に「行け!」と手を振った。すると、男は何もなかったように黙って、そして僕の方をチラッと睨みつけて出て行こうとする。僕は男が出て行く姿を唖然として見ていたが、ポリスに
「何故あの男を逮捕しないのか!あいつは俺のカメラを取ったんだぜ!」
と日本語で口から泡を飛ばしながら両手を振って叫ぶが、ポリスは、うるさい蝿でも追い払うように、手を振ると
「お前も帰れ!」
と、投げ捨てるように行った。頭にきた僕は、
「カメラ!」
と手を出すと、ポリスは腰からピストルを抜き取り、“バン”と、テーブルの上に置いた。そして、ガッと椅子を引き、テーブルの上に足を投げ出して組み、澄ました顔をする。
「こ、こいつは警官のくせに人のカメラを取るつもりだな!」
と怒りが込みあげてきた。さあ、どうする?カメラは引き出しの中だ。ピストルはある。「うむ・・・」と、唸って、サッ、と机の内側に廻り込むと、カメラを入れた一番下の引き出しを開けて、パッ、とカメラを握り、握るといなや、バッと一目散に駆けた。後ろを振り向かず、猛スピードで駆けた。
「撃たれるかもしれない撃たれるかもしれない」
と胸が締めつけられ汗が吹き出た。
「とんでもない国もあるもんだ、何の為の警察か!此処には信用するものは何もない。信じちゃいかん、何もかも、メチャクチャだ!」
と叫びながら、ぬるい月の吹く夜の街を駆けて行った。

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