四.大アマゾン-3
このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。
ジャングルの樹木は土の上からではなく、水の上から生えていた。ごわごわとした大きな葉は一枚一枚が濃い緑で、覆い茂る葉の間には、いたるところからツタが伸びくねっていた。赤や青、黄色の尻尾が長くて派手な鳥がバタバタと飛び立ち、気味悪い程の密林の静閑さの中に何時までも翼の音の余韻を残した。うっすらとジャングルにモヤがかかり、薄暗くなり始める頃、僕とインデオは夕陽に、紅く染まるアマゾン河面を背に、河上一路、マナウスへと向った。
初めての方は、1からお読み下さい。
マナウス、ジャングルの中のオアシス、人の住む街。薄暗くうっそうとした何が居るか分からぬジャングルに比べると別世界である。
インデオの娘がビールを注ぐ赤いネオンの下、深い椅子に腰掛け風に吹かれる。何か訳の分からぬ白身の魚や、エビや貝など、淡水物とは思えぬ深みのある味を楽しみながら、海のようにさざ波のうち寄せるアマゾンの岸辺を楽しむ。路上では子供らが長い夜を楽しみ裸で遊び、カフェーの中えはインデオらがトランプをしていた。
すっかり、良い気分になった僕はふらふらと、涼しいマナウスの街を歩いて行くと、よく整備された広い道には、人通りはなく、並木が青々と茂っていた。道路脇の緑の芝生の上にブランコがあったので、
「懐かしいなぁ」
と、ブランコに乗り、ギィギィと揺らすと、少年の頃に戻ったようである。気持ち良い肌触り、心地良い風が吹きぬける。日本の早秋の薫りがした。
子供の頃歌った童謡を口ずさむと、気分が良いのか、気候が良いのか、声が透き通り、さらに気持ち良くなった僕は声を大きくして幾度も歌った。自分で自分の歌に酔っているようでもあった。
何か?声がするので、ふと前方を見ると、公園の前は、役所か軍隊の寮なのか、高い塀が並び、門衛の兵隊が立っていた。そいつが僕の方を見て、手ぶりで「あっちへ行け!」と言っていた。人がせっかく気持ち良く歌っているのに知った事か、と日本語で「うるせぇ!」と叫ぶと、かまわず無視して歌い続けた。
そして、ブランコの上から見えたり、見えなくなったりする門衛を、潰れそうな瞼を開けて見ていると、そいつはサッとしゃがみ込み銃の弾込め装置をガシャンガシャンと鳴らしてから、ピタッと僕に向けて照準を合わせた。「はっ!?」ブランコの揺れに合わせて、ザァーと血の気が引いていくのが分った。アフリカの警官の件もある。何をされるか分ったもんじゃない。パッと慌ててブランコから飛び降りると、一目散に駆ける。彼らは振り向かぬ。「撃たれるかもしれない。」と、背中に汗が滲んだ。早く射程距離を離れたい一心に、かなりのスピードで走った。
一生に一度、出るか、出ないかの好記録を出した僕は、大樹に持たれかかると、「ゼーゼー」と大きく息をした。良い気持ちで飲んだビールがボタボタと流れ落ちた。頬を生ぬるい風がさわった。
インデオの娘がビールを注ぐ赤いネオンの下、深い椅子に腰掛け風に吹かれる。何か訳の分からぬ白身の魚や、エビや貝など、淡水物とは思えぬ深みのある味を楽しみながら、海のようにさざ波のうち寄せるアマゾンの岸辺を楽しむ。路上では子供らが長い夜を楽しみ裸で遊び、カフェーの中えはインデオらがトランプをしていた。
すっかり、良い気分になった僕はふらふらと、涼しいマナウスの街を歩いて行くと、よく整備された広い道には、人通りはなく、並木が青々と茂っていた。道路脇の緑の芝生の上にブランコがあったので、
「懐かしいなぁ」
と、ブランコに乗り、ギィギィと揺らすと、少年の頃に戻ったようである。気持ち良い肌触り、心地良い風が吹きぬける。日本の早秋の薫りがした。
子供の頃歌った童謡を口ずさむと、気分が良いのか、気候が良いのか、声が透き通り、さらに気持ち良くなった僕は声を大きくして幾度も歌った。自分で自分の歌に酔っているようでもあった。
何か?声がするので、ふと前方を見ると、公園の前は、役所か軍隊の寮なのか、高い塀が並び、門衛の兵隊が立っていた。そいつが僕の方を見て、手ぶりで「あっちへ行け!」と言っていた。人がせっかく気持ち良く歌っているのに知った事か、と日本語で「うるせぇ!」と叫ぶと、かまわず無視して歌い続けた。
そして、ブランコの上から見えたり、見えなくなったりする門衛を、潰れそうな瞼を開けて見ていると、そいつはサッとしゃがみ込み銃の弾込め装置をガシャンガシャンと鳴らしてから、ピタッと僕に向けて照準を合わせた。「はっ!?」ブランコの揺れに合わせて、ザァーと血の気が引いていくのが分った。アフリカの警官の件もある。何をされるか分ったもんじゃない。パッと慌ててブランコから飛び降りると、一目散に駆ける。彼らは振り向かぬ。「撃たれるかもしれない。」と、背中に汗が滲んだ。早く射程距離を離れたい一心に、かなりのスピードで走った。
一生に一度、出るか、出ないかの好記録を出した僕は、大樹に持たれかかると、「ゼーゼー」と大きく息をした。良い気持ちで飲んだビールがボタボタと流れ落ちた。頬を生ぬるい風がさわった。
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