2015年10月23日金曜日

四. 大アマゾン-1

四.大アマゾン-1


このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。


 僕を乗せた船は大アマゾンの河口に近づく。巨大なブルドーザーを南米大陸の中間地点、マナウスまで運ぶためだ。雨期を狙っての航行である。上流から流れ出る水流に逆らって大アマゾンを逆昇ろうとする。大型船、初めてのチャレンジであるらしい。
大西洋のコバルトグリーンの海面に真黒い色が流出していた。河口が近い。ザァーと、たいした抵抗もなく黒い水流に乗り込むと、うっすらと島らしい影は見えるが、水平線も見える。さすがに広い。海のようだ。水平線がギザギザになっている。
 河口で河を逆昇るための水先案内人を乗せるため錨を打って止まっていると、サーッサーッと水すましのようにカヌーがいっぱい近づいてきて、パパイヤなどの果物を持ってくる。僕らは船からドラム缶やバケツを下げては、品物を受け取る。
 一昼夜、昇りつめると大草原が見えてきた。今度は地平線が見える。広大なサバンナ地帯で緑が青々しい。しばらくすると、そのサバンナ地帯に富士山のような三角すいの山が雄々と聳え立つ。美しい山。絵画か、何かを見ているような錯覚に襲われてくる。
 エンジンをフル回転してさらに河を逆昇る。風呂に入ろうとして間違って海水バルブを開けると、茶色っぽい色のついた水がザーッと流れ出た。アマゾンの水だ。慌ててバルブを閉めるが、洗面器の中には水だけではなく、土砂や貝殻のようなものも含まれていた。上流の、さらに上流のアンデスの山奥から、雨で掘られ流出する石や貝。アマゾンは吐き出すようにアンデスの土砂流をも押し流していたのだ。
 さらに一昼夜すると、ずいぶん河が狭まってきた。濃い緑のジャングルが間近となり、「グワッ、ギャッ」と、鳥や獣の声が聞こえてくる。河から見るジャングルは密度が濃く、グリーンの葉やツタの間隔が狭く、濃い緑ばかりで光は漏れてない。
 狭い水路を通ると、ジャングルも間近となり、獣の気配が感じられ、バタバタと、総天然色のオームが飛びかったりする。中州が沢山あるので、蛇行、蛇行と蛇のように河がくねり、つらなり、暗いジャングルの隙間をぬって航行するが、再び大河に出ると、河の色が濃くなってくる。

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