八.スマトラと南十字星-4
このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。
「あなた、あなた」
初めての方は、1からお読み下さい。
と、あなた、しか知らないあなたどもにもみくちゃにされ、車を降り
「こりゃ、すげぇ。女だらけだ」
と、相棒に言うと、相棒は、
「これだけ女ばかりだと気味悪いなぁ…」
と呟いていた。太った娘や小さい娘や、いろんな娘が僕の手を引く。歳は若い。結局、一番力の強そうな女に引っぱられ、相棒は?と見れば大柄な女が抱えるようにして連れて行っていた。
僕が案内された部屋は狭く、散らかっていた。奥を覗くと、四・五歳の子供らが、二・三人居るので、
「うぁ、子供と一緒に暮らしているのか」
と、子供らの遊ぶ姿を見たら、急に色気もクソもなくなり女に金を渡して部屋を出た。生活がかかっているから強引なはずだ。
表に出ると、今度は一番若そうな娘を選び、これなら子供はいまい、と部屋へ行き、いろいろと聞いてみることにした。
此処の女達は皆、出稼ぎで、周囲の小島から来ているという。彼女もその一人で、此処でお金を貯めて、故郷へ帰って結婚すると言っていた。
「ふーん」という感じで便所へ行くと、裏は真暗で柵の向うはジャングルになっていた。何か?獣の気配がするようで、ゆっくりしゃがんでいられなかった。
彼女らは明るくよく笑った。悲愴な感じはひとつもなかった。皆お金を貯めて田舎へ帰って結婚する、という目的があるらしく、何々さんは二年で幾ら貯めて結婚したとか、しきりに言っていた。日本の季節労働者みたいだが、結婚するのにそんなにお金はいらぬはずであるが、何か特別の儀式があるのか?それとも、この地方は女が男を養っていく土地柄だろうか?日本では到底考えられぬ事である。
僕は世界中廻ったが、日本の若い娘ほど恵まれている娘はないだろう、と思う。皆、奇麗な服を着飾って旨いものを食って満ちたりた顔をしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿