2015年9月28日月曜日

ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅲ 素顔のアフリカ)

ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅲ 素顔のアフリカ)


このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。



  タンザニアの南にモザンビークという国がある。この国は非常に美しい海岸線をもっている。マダガスカル島に保護され、直接インド洋の外海に洗われないからか、キラキラと光る美しい砂浜の海岸線が何処までも連なっている。モザンビーク海峡のおとなしい海は深いグリーン一色で広がる。目の洗われる絶景である。
 この国の黒人は土着的で、アフリカの民族そのものである。混血も少なく、手足がひょろ長く、色は真っ黒で黒光りしていた。いまだ植民地が続き、フランスが統治しているこの国は、すべてが独立国に比べ遅れているようであった。白人の宮殿のような白壁の家ばかり目につき、街はヨーロッパ的で金髪の美しい娘らが楽しそうに歩いていた。黒人の姿は見えなかった。
黒人の顔は皆、同じような顔をしているように見えるが、見慣れてくると、種族種族でかなり違うのが分かってくる。また、同じ種族でも、女性なら女性で、美人、不美人の見分けがつくようになる。美人、不美人というのも、かなり私観が入ってくるが、それでも、顔型の整い方や、バランスなどで一般的な見分けはつくようになる。が、この国の黒人は、そういう事を考える以前の問題であった。それ程、彼らは人間に程遠い存在であった。いや、人間のルーツであるかもしれなかった。
 郊外の海岸や市場へ行くと、サラサ一枚をまとった裸足の黒人らが、長い手足を振って歩いていた。額が小さく、髪のちぢれあがった黒人の娘が、ファションであろうか、ちぢれた髪を三ツ組にして幾本も腰のところまで伸ばしていたが、細長い身体を折り曲げるようにして、長い手足を振りながら歩く姿は人間には見えなかった。宇宙人か、地底人か、SFXの画像を見ているような錯覚に襲われた。僕はポカーと口を開け、透き通る青空の下、グリーンの海をバックに砂浜をゆく、土人の娘らを何時までも見ていた。
 かすかに見えるマダガスカル島の住民は不思議な事に、この対岸の人種とは全く異なり、ジャワ人、インドネシア系である。大古、イカダに乗って貿易風に流され、インド洋をはるばる渡って来た人々の子孫が、今、こうして栄えているものと思われる。おもしろい事に、この島には地球上で絶滅した動物や、植物が今も健在であり、進化の過程も全く独自に進んでいるという。いや、新化が止っていたかもしれない。島全体が強いバリアーか、何かに包まれたこれも、また不思議な島である。
 東、南アフリカは美しく陽気な、どこか欧州を思わせる、良く整備された街である。そして、アラブ人、中国人ら、外国人の支配下の強い国であった。
 華僑の商魂と生活力には思わず感服してしまう。また、コカコーラのセールスマンにも同じく感服してしまう。おかげで食中毒にならずに済む、というものである。
 中国人、華僑というのは世界中、何処へ行っても居て、アフリカの奥地へ行っても、しっかり漢字の書いた店があり、「コカ・コーラ」と、言うと、これもまた、何処へ行ってもあり、ぬるい埃のかぶったコーラを、中国人のガキが差し出す。この太っちょのガキは小学生位なのに田中角栄みたいな顔をして、バチバチとソロバンを弾いていた。

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