ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅰ.ブラック大陸1)
このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。
アフリカは熱く僕を迎えてくれた。モンバサの街へ降りると、
「サバ!サバ ビアーン」
「こんにちは!いかがですか」
と、マサイ族の子供らが声をかける。暑い。四十度は越す暑さでジリジリとくる。樹木の影を選んで歩かなければ……灼熱地獄だ。
黒人の手や足が白いのは、あまり知られていないが、実際に白い。長い間の気候のせいで肌が黒くなったものと、思われる。この暑さのせいであろう。また、彼らは手足が異様に長い。歩く時に、まず踵を降ろし、次に足の平、全体を降ろすもんだから土煙が、ぼわーと立つ。それでなくても舗装してない道が多いのに、よけい堪らない。車が走った後は、しばらく前が見えなくなる。
アフリカの黒人は非常に立派な体格をして胸が張っている。レスラーのような肉体である。が、彼らはたいそう気が弱い。長い間の植民地生活のせいであろうか、気弱である。特にアフリカは香港映画が流行っているので、僕らのような東洋人は皆、拳法の達人のように思っているらしく、
「ワッ!」
と叫ぶと、黒光りをした大男が、
「ドキッ!」
と、大きい身体を震わせたりする。
ケニアからタンザニアへと入り、アフリカンパークへと車を進める。草原の中、ガタガタ道を走り、パークへと向う。車といっても普通のライトバン、パークといっても無装備、無法地帯の草原とジャングルである。
丘へ登り、崖の上から眺めると、少年の頃テレビで見たジャングル大帝のアフリカの光景が、そこ、にあった。濃緑の深々としたジャングル、その合間をぬって河が蛇のようにくねり流れ、その後方に線のない荒々とした峰々が聳え、縮れ雲が何処までも連なっている。アフリカの姿、そのものであった。キリンが走る、地平線に蜃気楼が浮かびキリンの首が走り、後で胴体が追いかけて行く。草原の中、空気が揺らめき、乾ききった土の上を車が走る。ライオンもぐったりとして眼さえ開けない。象の姿は見えなかった。
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