ワタの旅と冒険-2 アフリカ偏(Ⅱ.夢の島)
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ワタの旅と冒険-1
ダレ・サレームの街から見える範囲の所にザンジバルという島がある。日本の淡路島位の小さな島である。かつて、中世に自由の国を創ろうと有志が集って行った島である。中世ヨーロッパでは桃源郷のように言われ、アフリカで死んだ詩人のランボーが死ぬまで、「行きたい、行きたい」と、行っていた、夢の島である。人口数千人の小島であるが、ザンジバル共和国といって独立の国を創っていた。運良く僕の乗った船が、そのザンジバルに荷を降しに行く事になった。外国人の上陸は許可出来ぬらしいが、特別にエージェントに頼み上陸することにした。
ザンジバルは噂どおりの島であった。まず、街中にありとあらゆる人種がいた。白人、アラブ人、黒人・・・と、ただ僕は見たかぎりでは東洋人はいないようであった。僕が歩いていたら、島の人達が火星人を見るような目で僕を見ていたから。
街は、ヨーロッパとアラブ、アフリカをごっちゃにした建物が立ち並び、その建物のあい間に、キリスト教会、イスラム教会、その他、訳の分からん宗教の教会などが立っていた。あらゆる人種が、それぞれ勝手に自分たち流の家を建て、自分たちの宗教を信仰していた。あらゆる人種が自分たちの民族の暮らし方を保ち、宗教を保ちながら、見事に調和しあっていた。バベルの塔は崩れたが、この島は何人のいさかいもなく平和に続いていた。
街は美しく、よく整備され、ヨーロッパにあるような公園やグラウンドもあり、そういうところで突然、アラブ人が礼拝していたりしていた。
驚いたのは、夕方、ザンジバルの国歌が街中に備えつけられたスピーカーから、ミュージックサイレンで鳴り響く。すると、笑ったり、喋ったり、歩いていたりしていた街じゅうの人々が、ぴたっと止まって、じっと立っている。街全体が停止したように、しん、と静まる。国歌が鳴り終ると、再び人々は、ワァワァ言いながらもとの行動にかえり、遊んでいた子供らや、ベンチに座っていた人々が家路へと向う。小学校のグラウンドを思い出す光景である。
この多種雑多の民族を統一しているものは何だろう?宗教、イデオロギーを越えた、強烈なパワーが存在しているように思えた。そういえば、この国の人が働いているのをあまり見かけない。大人も子供も皆、平和そうな顔をしてブラブラしているだけである。こんな小さな島でどんな産業で大勢の人々が暮らしているのだろうか、いろいろ考えると不思議な事ばかりである。
人通りも少なくなり、だんだん気味悪くなった僕は、薄暗くなりかけた道を港へと向った。
謎に包まれた国、ザンジバル。アラビアンナイトの魔法にかかって、幻想を見ているような、中世の時代にタイムスリップしたような、なにもかもが白いベールに包まれた魅惑の島である。
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