このブログは一つの物語です。
その後、僕はこの情けない組事務所の前へ堂々と車を止め、中野の所へ出入りするようになった。また、よくこの組の若い兄ちゃんらが中野の弁当屋へツケで弁当を買いに来ていた。
「ほんまに明日(あした)払うんやろうなぁ」と中野が怒鳴るように言うと
「払う、払う」と、中野を神様みたいに拝んでいた。馬鹿な男だ、中野に手を合わせるぐらいなら働きゃいいのに・・・。
その後、この兄ちゃんはついに飯だけを注文するようになり、大盛りの飯を持っていそいそとプレハブの方へ走っていた。「ほんま、情けないヤクザやなぁ。飯しか食えんのかい」
と中野は完全に馬鹿にしていた。
この中野も、ある日、彼の弁当屋へ行くとほとんど鍋に近い大きな丼に、飯を山盛り入れ醤油をかけて食っていた。
「おお、すごいなぁ。お前、おかずが眼の前に有ろうに・・・」
と言うと
「もう此処のおかずは食い飽きたんやぁ。毎日毎日同じもんばかり食えんわぁ」
と言っていたが、中野が食い飽きるというんだ、よっぽど食ったんだろう。
「それにしてもお前、よく醤油だけでそんなに飯が食えるなぁ」
と感心しながら言うと
「いやぁ、昔のことを思えばなんともないわぁ」
と口を頬張りながら答えた。今、思い出しても凄い飯の量であった。
その後、彼は相撲取りみたいになって、山へは行こうとしなかった。食欲にすべて押し負かされてしまったようである。目の前にあれば食べる、というのはホモ・サピエンスに程遠いように思われた。
その彼も、かなり反省したか自転車に乗りだした。彼はフランスから三台、ツール・ド・フランスに出場するような時速百キロは出る、競技用の自転車を送っていたのである。彼はフランスに居る間、日本に持って帰れば高い値で売れそうなものをちょくちょく送っていた。ある日、僕のうちにチョコレートの丸い缶がフランスから送られてきたので、おかしいなぁ・・・?フランスには滞在したことがあるが、チョコレートをプレゼントしてくれるような人は居ないはずだが・・・まさか、中野が僕にチョコレートをプレゼントするはずはないし・・・国際的なテロリストが誰かと僕を間違えて、爆弾か何かを送りつけてきたのだろうか?と、差し出し人の書かれていない大きいチョコレートの丸い缶をおそるおそる開けてみると、八ミリ映写機用のポルノフィルムがびっしり入っていた。住所不定の中野が、僕の家の住所を書いて送って来たものであった。そのフィルムはさっそく皆んなに貸して、中野が帰って来る頃には僕の手元には一本もなく
「あんた、ひどい人やなぁ、送る相手を間違えたわぁ」
と、中野はしばらくぶつぶつ言っていた。
その後、僕はこの情けない組事務所の前へ堂々と車を止め、中野の所へ出入りするようになった。また、よくこの組の若い兄ちゃんらが中野の弁当屋へツケで弁当を買いに来ていた。
「ほんまに明日(あした)払うんやろうなぁ」と中野が怒鳴るように言うと
「払う、払う」と、中野を神様みたいに拝んでいた。馬鹿な男だ、中野に手を合わせるぐらいなら働きゃいいのに・・・。
その後、この兄ちゃんはついに飯だけを注文するようになり、大盛りの飯を持っていそいそとプレハブの方へ走っていた。「ほんま、情けないヤクザやなぁ。飯しか食えんのかい」
と中野は完全に馬鹿にしていた。
この中野も、ある日、彼の弁当屋へ行くとほとんど鍋に近い大きな丼に、飯を山盛り入れ醤油をかけて食っていた。
「おお、すごいなぁ。お前、おかずが眼の前に有ろうに・・・」
と言うと
「もう此処のおかずは食い飽きたんやぁ。毎日毎日同じもんばかり食えんわぁ」
と言っていたが、中野が食い飽きるというんだ、よっぽど食ったんだろう。
「それにしてもお前、よく醤油だけでそんなに飯が食えるなぁ」
と感心しながら言うと
「いやぁ、昔のことを思えばなんともないわぁ」
と口を頬張りながら答えた。今、思い出しても凄い飯の量であった。
その後、彼は相撲取りみたいになって、山へは行こうとしなかった。食欲にすべて押し負かされてしまったようである。目の前にあれば食べる、というのはホモ・サピエンスに程遠いように思われた。
その彼も、かなり反省したか自転車に乗りだした。彼はフランスから三台、ツール・ド・フランスに出場するような時速百キロは出る、競技用の自転車を送っていたのである。彼はフランスに居る間、日本に持って帰れば高い値で売れそうなものをちょくちょく送っていた。ある日、僕のうちにチョコレートの丸い缶がフランスから送られてきたので、おかしいなぁ・・・?フランスには滞在したことがあるが、チョコレートをプレゼントしてくれるような人は居ないはずだが・・・まさか、中野が僕にチョコレートをプレゼントするはずはないし・・・国際的なテロリストが誰かと僕を間違えて、爆弾か何かを送りつけてきたのだろうか?と、差し出し人の書かれていない大きいチョコレートの丸い缶をおそるおそる開けてみると、八ミリ映写機用のポルノフィルムがびっしり入っていた。住所不定の中野が、僕の家の住所を書いて送って来たものであった。そのフィルムはさっそく皆んなに貸して、中野が帰って来る頃には僕の手元には一本もなく
「あんた、ひどい人やなぁ、送る相手を間違えたわぁ」
と、中野はしばらくぶつぶつ言っていた。
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