このブログは一つの物語です。
この奇想天外の山さん、絵画、音楽、読書とおよそ趣味と呼ばれるものは何でもする人で、スタイル、行いも若く、十才、齢の違う僕らとほとんど変わりなく生活している。この人、几帳面なわりにロスの多い人で、歯科技工師の三郎が免許を取り上げられた時に、「情けない・・・」と嘆いていたが、本人も若い頃、長らくヨーロッパへ行っている時に切り換えをせず免許を切らしていた。その後、車の免許は取ったが二輪の免許は取り直さなかったらしく、よく山の方で無免許でオートバイを乗り回していた。が、転倒して密かに病院通いをしていた。
彼が家を新築した時、「日本人は、古来から、まず城を築きそれから戦に出る」と皆んなに言っていたが事情があり家を手放すと、「ジンギスカンは定着して亡んだ」と言っていた。
また、「お前ら、早く結婚して身を固めた方がいいぞ!」と皆んなに言い、夫婦仲が悪くなると「お前、結婚なんぞしない方がいいぞ、フリーが一番いいぞ!」としみじみ語っていた。
また、真冬、かなり冷え込み、近くの滝が凍った時であるが、運悪く仲間が皆動けず、どうしても滝を登りたかった僕は、知り合いの山岳会のリーダーと登りに行った。ところが、地元で無謀な登山をするという定評のこの山岳会と、パーティーを組んで登ったという僕の噂を聞いた奇想天外の山さんは、「お前、彼らと一緒に山へ行くな!彼らがどういう登山をするか知ってるか!命を失うぞ!今度一緒に行く時はクラブをやめて行け!」とこっぴどく怒られた。が、後(のち)、海外遠征でトラブルがあり、その山岳会のリーダーが一人、彼を援護した為、山さんはすっかり彼に恩義を感じているようであった。
ある時、僕とこの二人で酒を飲んでいると、「そういえば、みつる君は俺と山へ行きたがらないなぁ、俺はお前を気に入っているのにお前は俺が嫌いなのか?」と言うので僕は返す言葉もなく下を向いてもじもじしていると、山さんが大きな声で、「そうだ!みつる、お前何故?~さんに連れて行ってもらわないのだ。~さんと行ったら勉強になるのに馬鹿だお前は!」と息巻いていた。両人から攻められ僕は何も言えず、黙って酒を飲んでいた。これを僕ら仲間では“必殺”もしくは“伝家の宝刀”と呼び、何かの拍子に以前の話とコロッと違う話が出たら、僕らはニヤリと含み笑いを浮かべ、「おい!必殺が出たぞ!」と目で合図する。
この奇想天外の山さん、絵画、音楽、読書とおよそ趣味と呼ばれるものは何でもする人で、スタイル、行いも若く、十才、齢の違う僕らとほとんど変わりなく生活している。この人、几帳面なわりにロスの多い人で、歯科技工師の三郎が免許を取り上げられた時に、「情けない・・・」と嘆いていたが、本人も若い頃、長らくヨーロッパへ行っている時に切り換えをせず免許を切らしていた。その後、車の免許は取ったが二輪の免許は取り直さなかったらしく、よく山の方で無免許でオートバイを乗り回していた。が、転倒して密かに病院通いをしていた。
彼が家を新築した時、「日本人は、古来から、まず城を築きそれから戦に出る」と皆んなに言っていたが事情があり家を手放すと、「ジンギスカンは定着して亡んだ」と言っていた。
また、「お前ら、早く結婚して身を固めた方がいいぞ!」と皆んなに言い、夫婦仲が悪くなると「お前、結婚なんぞしない方がいいぞ、フリーが一番いいぞ!」としみじみ語っていた。
また、真冬、かなり冷え込み、近くの滝が凍った時であるが、運悪く仲間が皆動けず、どうしても滝を登りたかった僕は、知り合いの山岳会のリーダーと登りに行った。ところが、地元で無謀な登山をするという定評のこの山岳会と、パーティーを組んで登ったという僕の噂を聞いた奇想天外の山さんは、「お前、彼らと一緒に山へ行くな!彼らがどういう登山をするか知ってるか!命を失うぞ!今度一緒に行く時はクラブをやめて行け!」とこっぴどく怒られた。が、後(のち)、海外遠征でトラブルがあり、その山岳会のリーダーが一人、彼を援護した為、山さんはすっかり彼に恩義を感じているようであった。
ある時、僕とこの二人で酒を飲んでいると、「そういえば、みつる君は俺と山へ行きたがらないなぁ、俺はお前を気に入っているのにお前は俺が嫌いなのか?」と言うので僕は返す言葉もなく下を向いてもじもじしていると、山さんが大きな声で、「そうだ!みつる、お前何故?~さんに連れて行ってもらわないのだ。~さんと行ったら勉強になるのに馬鹿だお前は!」と息巻いていた。両人から攻められ僕は何も言えず、黙って酒を飲んでいた。これを僕ら仲間では“必殺”もしくは“伝家の宝刀”と呼び、何かの拍子に以前の話とコロッと違う話が出たら、僕らはニヤリと含み笑いを浮かべ、「おい!必殺が出たぞ!」と目で合図する。
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