このブログは一つの物語です。
初めての方は、1からお読み下さい。
ワタの旅と冒険-1
夕刻前、断食中である彼らは街の広い何百人は入れるであろう大食堂に集り陽が沈むのを待つ。二、三時間前から集ってお茶を飲み、腹を空かして待つ。
ふと、入った、この店でその事を知り、回教徒でない僕は大食堂の真ん中に座ると、メニューを見て「あれじゃ、これじゃ」と注文する。コックが奥から覗いていたが外国人だから―――――と食事を作る。
次から次へと運ばれてくる御馳走に何百人かの視線が集る。香りがたち込め、腹の鳴る音がする。
「ああ、うめえ、うめえのぉぉ」
と、舌を打つ。子供が傍へやって来るので何かあげよう、とするが慌てて母親が連れに来る。ぐっ、と視線を感じながら食べる味はまた、格別である。「ざまぁみやがれ!」
ずい分長く滞在したカサブランガを後にサハラ砂漠、アルジェリアへと向う。あてにならないバスを乗り継ぎアルジェリアとの国境近くへと来た。アルジェリアは社会主義国なのでビザがいるが、この街でビザの手続きが出来る、と聞いたからだ。が、なめくじのような字の看板を見ても何の建物かちんぷんかんぷんである。うろうろしていると、ダーバンを巻いた小柄なおっさんがやって来て、「ビザ、ビザ」とさかんに言っている。ビザの手続きをしてくれるビザ屋のおっさんである。アラビアの生活ですっかりせこくなった僕は、おっさんに何の書類は此処でもらい、写真は此処で取ってペタンと貼って此処に出す、と場所を教えてもらい、「ありがとう、後は自分でするわ。」と、言うと、おっさんは両手を上げて頭をかかえ込んでいた。
アルジェリアはモロッコの快楽的、堕落的生活よりは少しは締った感じがした。人々の目も働いている目である。
アフリカ大陸を南下する窓の無いバスに乗り、土煙りを顔に浴びながら進む。到着地で乗客が運ちゃんとワイワイやっているので、「何か?」と思ったら、屋根に積んであった荷物が半分近く無くなっていた。
この地では荷は全部バスの上に乗せるようになっていて積み上げてロープでくくるのだが、そのくくり方というのが、またなんとも頼りない、「ありゃ あかんぜ、ほどけるぜ」と、思った僕は、別料金を払いザックをしっかり抱きかかえていたが、案の定、荷を砂漠に蒔き散らかしながら走っていたわけである。
初めての方は、1からお読み下さい。
ワタの旅と冒険-1
夕刻前、断食中である彼らは街の広い何百人は入れるであろう大食堂に集り陽が沈むのを待つ。二、三時間前から集ってお茶を飲み、腹を空かして待つ。
ふと、入った、この店でその事を知り、回教徒でない僕は大食堂の真ん中に座ると、メニューを見て「あれじゃ、これじゃ」と注文する。コックが奥から覗いていたが外国人だから―――――と食事を作る。
次から次へと運ばれてくる御馳走に何百人かの視線が集る。香りがたち込め、腹の鳴る音がする。
「ああ、うめえ、うめえのぉぉ」
と、舌を打つ。子供が傍へやって来るので何かあげよう、とするが慌てて母親が連れに来る。ぐっ、と視線を感じながら食べる味はまた、格別である。「ざまぁみやがれ!」
ずい分長く滞在したカサブランガを後にサハラ砂漠、アルジェリアへと向う。あてにならないバスを乗り継ぎアルジェリアとの国境近くへと来た。アルジェリアは社会主義国なのでビザがいるが、この街でビザの手続きが出来る、と聞いたからだ。が、なめくじのような字の看板を見ても何の建物かちんぷんかんぷんである。うろうろしていると、ダーバンを巻いた小柄なおっさんがやって来て、「ビザ、ビザ」とさかんに言っている。ビザの手続きをしてくれるビザ屋のおっさんである。アラビアの生活ですっかりせこくなった僕は、おっさんに何の書類は此処でもらい、写真は此処で取ってペタンと貼って此処に出す、と場所を教えてもらい、「ありがとう、後は自分でするわ。」と、言うと、おっさんは両手を上げて頭をかかえ込んでいた。
アルジェリアはモロッコの快楽的、堕落的生活よりは少しは締った感じがした。人々の目も働いている目である。
アフリカ大陸を南下する窓の無いバスに乗り、土煙りを顔に浴びながら進む。到着地で乗客が運ちゃんとワイワイやっているので、「何か?」と思ったら、屋根に積んであった荷物が半分近く無くなっていた。
この地では荷は全部バスの上に乗せるようになっていて積み上げてロープでくくるのだが、そのくくり方というのが、またなんとも頼りない、「ありゃ あかんぜ、ほどけるぜ」と、思った僕は、別料金を払いザックをしっかり抱きかかえていたが、案の定、荷を砂漠に蒔き散らかしながら走っていたわけである。


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