このブログは一つの物語です。
行きつけのおでん屋で一杯飲んだ僕らは、酔っ払った洋ちゃんの運転する車に乗って彼のアパートへ向かうが、ブウーとスピードを出し、ふぅー、と何か?空間を通り過ぎたような気がしてふと振り返って見ると、四車線はある九州横断道路を一旦停止もせず猛スピードで通り抜けていた。ぞっと、一度で酔いが醒めてしまうが洋一は醒めていないようであった。
また、冬に山奥へ合宿に入っていたが雪がどんどん降り、完璧に積もり積もってしまった。そこへ、テントで酒が切れた洋一が「下の部落へ酒を買いに行く」と言い出した。もう、だいぶん酔っている。皆んなが「雪が深くて車は動かん」と言うが、きかない。一度言い出したらきかない性格である。
「俺は行くんじゃ!」
と、車のキイを握ってボタ雪が降りしきるテントの外へ出ろうとするので、奇想天外の山さんが困った顔をして
「言い出したら聞かぬから、みつる、一緒に行ってくれんか?」
と言うが、こんなに雪が積もって車が走れるもんかい。山さんも平気な顔をしてひどいことを言う人だ、と、ぶつぶつ言いながら、しょうがなくチェーン付きのFFの車に乗って山を降りる。ラッシェル車のように雪を掻き分け、狭い林道を通り10キロ先の部落へと降り、やっとの思いで酒を買うと下ってきた林道を登り山道へと入る。が、斜面が急で路面はスリップし通しである。ガードレールは無く、眼下は切り落ちた絶壁の林道を、ザアーと右ハンドルをいっぱいに切って、今度はザアーと左ハンドルをいっぱいに切りながらウンウン、タイヤをスリップさせながら登って行く。隣で一升瓶を抱えた洋一が、「あわわわ、あははは」と笑いながら喜んでいるが、「正気な人間の身にもなってみろ」「こりゃ、酒を飲むのも命がけだぁ」と僕は降り積もる雪の中、独り言を言いながら必死でハンドルを廻し続けた。
このように、僕らが山へ行く時は、山へ行くのに性能と都合の良い誰かの車で行くわけだが、車を単なる道具としか思ってない奴ばかりだから、車を出した奴は悲惨そのものとなる。車を大事にしている奴が一度でも車を出すともう二度と山へ行かなくなる。
まず、座席に座っている奴らがフロントガラスや窓ガラスにべちゃ、と足跡をいっぱいつける。そして車内はジュースやビールの空き缶、ソーセージやパンのビニール袋や食べかすだらけとなり、中野のように弁当ばかり食う奴が乗ると、米粒だらけとなる。
僕らの道中は長距離なので、皆疲れてくるし登山用具がぎっしり載っているので窮屈なのか、前も横も後部座席も窓ガラスにべたっと足の裏がくっ付く。隣車線を走っている行楽客らが擦れ違いざまに“ギョッ”とそれを見る。
また、道中、モーテルがいっぱいあるので歯科技工師の三郎が突然、
「あっ!入ったぁ!」
と大声で叫ぶので、車を運転している僕は
「はっ!」
とびっくりしてブレーキを踏みかけるが、彼が言うのは車がモーテルに入ったというだけのことである。
「ちくしょう!腹が立つなぁ」
と、後部座席で唸っていたが、彼も以前は若い娘を連れて廻って「あっ!行き過ぎた」などと言っては国道をウィーンと二、三百メートルもバックさせ、モーテルに入っていたという男である。その時、周りの車や道ゆく人が「何だろう?」と注目するので「恥かしい・・・」と、女の娘は顔を隠していた。
その後、彼がその娘を連れて歩いていたのを見た者はいない。
行きつけのおでん屋で一杯飲んだ僕らは、酔っ払った洋ちゃんの運転する車に乗って彼のアパートへ向かうが、ブウーとスピードを出し、ふぅー、と何か?空間を通り過ぎたような気がしてふと振り返って見ると、四車線はある九州横断道路を一旦停止もせず猛スピードで通り抜けていた。ぞっと、一度で酔いが醒めてしまうが洋一は醒めていないようであった。
また、冬に山奥へ合宿に入っていたが雪がどんどん降り、完璧に積もり積もってしまった。そこへ、テントで酒が切れた洋一が「下の部落へ酒を買いに行く」と言い出した。もう、だいぶん酔っている。皆んなが「雪が深くて車は動かん」と言うが、きかない。一度言い出したらきかない性格である。
「俺は行くんじゃ!」
と、車のキイを握ってボタ雪が降りしきるテントの外へ出ろうとするので、奇想天外の山さんが困った顔をして
「言い出したら聞かぬから、みつる、一緒に行ってくれんか?」
と言うが、こんなに雪が積もって車が走れるもんかい。山さんも平気な顔をしてひどいことを言う人だ、と、ぶつぶつ言いながら、しょうがなくチェーン付きのFFの車に乗って山を降りる。ラッシェル車のように雪を掻き分け、狭い林道を通り10キロ先の部落へと降り、やっとの思いで酒を買うと下ってきた林道を登り山道へと入る。が、斜面が急で路面はスリップし通しである。ガードレールは無く、眼下は切り落ちた絶壁の林道を、ザアーと右ハンドルをいっぱいに切って、今度はザアーと左ハンドルをいっぱいに切りながらウンウン、タイヤをスリップさせながら登って行く。隣で一升瓶を抱えた洋一が、「あわわわ、あははは」と笑いながら喜んでいるが、「正気な人間の身にもなってみろ」「こりゃ、酒を飲むのも命がけだぁ」と僕は降り積もる雪の中、独り言を言いながら必死でハンドルを廻し続けた。
このように、僕らが山へ行く時は、山へ行くのに性能と都合の良い誰かの車で行くわけだが、車を単なる道具としか思ってない奴ばかりだから、車を出した奴は悲惨そのものとなる。車を大事にしている奴が一度でも車を出すともう二度と山へ行かなくなる。
まず、座席に座っている奴らがフロントガラスや窓ガラスにべちゃ、と足跡をいっぱいつける。そして車内はジュースやビールの空き缶、ソーセージやパンのビニール袋や食べかすだらけとなり、中野のように弁当ばかり食う奴が乗ると、米粒だらけとなる。
僕らの道中は長距離なので、皆疲れてくるし登山用具がぎっしり載っているので窮屈なのか、前も横も後部座席も窓ガラスにべたっと足の裏がくっ付く。隣車線を走っている行楽客らが擦れ違いざまに“ギョッ”とそれを見る。
また、道中、モーテルがいっぱいあるので歯科技工師の三郎が突然、
「あっ!入ったぁ!」
と大声で叫ぶので、車を運転している僕は
「はっ!」
とびっくりしてブレーキを踏みかけるが、彼が言うのは車がモーテルに入ったというだけのことである。
「ちくしょう!腹が立つなぁ」
と、後部座席で唸っていたが、彼も以前は若い娘を連れて廻って「あっ!行き過ぎた」などと言っては国道をウィーンと二、三百メートルもバックさせ、モーテルに入っていたという男である。その時、周りの車や道ゆく人が「何だろう?」と注目するので「恥かしい・・・」と、女の娘は顔を隠していた。
その後、彼がその娘を連れて歩いていたのを見た者はいない。

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